点蒼派 (テンソウハ)
「点蒼の剣は天下最速の剣。言葉を超え、雷光のごとく迅い。」
点蒼派は剣を用いる門派だが、最高の高手は往々にして掌門ではない。彼らは剣法は天の道であると信じ、剣で道を問う。したがって一度掌門となれば、塵世の心が生じて、康莊大道へ至ることができないのだ。
習う所は儒家の学問で、剣は君子の器。荘重厳粛にして不亢不卑、人を疑う心を持つことができる。傲骨稜々として、往々にして死すらも屈服しない。
大理にありながら、中原の六大派を自任する。中原への遷住を考えたことがないわけではないが、いつも唐門に阻まれ、両派は大小の戦いを何十回も繰り返してきた。
外號
かつて修行を終えて下山し江湖を闊歩した点蒼弟子が帰郷すれば、恩師から一つの外號を授かる。例えば「白虹剣客」徐光輝、「朝陽剣客」盛鴻年、「蒼松剣客」葉雲舟、掌門観雲客が若き日に名乗った「観雲剣客」、聴海生の「聴海剣客」のように。
その中でも葉雲舟は当代点蒼の俊傑で、デビューしたその時から素早い剣で武林を震撼させた。謙虚な人格も相まって江湖からの評価は高く、誰もが彼を点蒼の最速剣客だと言う。
現掌門観雲客と師弟の聴海生が修練するのは黒白双剣の合撃の術で、江湖人から点蒼双尊と称される。二人はまだ絶頂の境地に達していないが、力を合わせれば実力が爆発的に増す。たとえ極楽教主と龍淵大侠の二人が和解して手を組んでも、恐らく敵わないと言われる。
剣を妻とする
入門弟子は全て求剣・洗剣儀式を経ねばならぬ。此より剣を妻たり友たりとし、求めるは人剣合一の至高の境地。日々精心に愛剣を養護し、往々にして一生一柄の剣のみを用いる。
剣在りて人在り、剣毀して人亡ぶと言えど、実際のところ剣が刃こぼれたら新しい剣に替える者も多い。更に多くの者が特に火炎山剣閣に詣でて剣を求めている。
剣を妻とするなら、これは再婚に相当するのではないか。一人が多くの柄の剣を持つなら、三妻四妾に値するのではないか。
殺親證道
点蒼の剣客は剣道の追求に近狂気に陥る。塵世の牽絆が多すぎるからこそ悟りを得られず、剣を抜く速度を妨げると考える。天機を参悟するため、剣で情の絲を斬ることも厭わず、妻を棄て子を捨てる者も多い。
その中でも執拗な者は「殺親證道」というおぞましい邪説を説き、あらゆる方法で親を中傷してから殺し、そうしてこそ心が安まり、すべての関わりから逃れ、修行の力はさらに一段階上がると妄想するのである。
点蒼双尊は心を砕いて邪説を正し制止し、お気に入りの弟子である白虹剣客、朝陽剣客、加えて蒼松剣客と共に、殺親の犯人全員の手首を斬り逐出し、官府に移送することで、この邪説をようやく消滅させた。
点蒼剣聖
点蒼派は昔、一人の驚世駭俗の奇才を輩出し、江湖人は敬意を込めて剣聖と呼んだ。
伝聞によれば前代の点蒼剣聖は孤高絶傲にして、南より北上して中原で剣を問い、当代の英傑を全て打ち負かした後、急流勇退して大理点蒼山の剣廬に隠居した。剣聖の故居には三式の剣意が秘藏され、天資絶頂で剣骨を具える者のみが参悟できるという。
剣聖故居を毀損することを恐れ、平時は厳格に人を派遣して守衛している。ただ大功勲を建てた点蒼弟子のみが剣廬に入り三日間、武功を参悟することが許される。剣聖の遺招三式を参悟できた者は、当代剣聖の称号を襲名し、地位は点蒼掌門よりも高く、大理皇帝さえも破格の礼を示す。
葉雲裳は天資聡慧にして、幼少時にこっそり忍び込んで見た片時だけで三招の極意を領悟し、更には第四式を創出する機会すら有するという。
第一極招:煙波老釣叟。好酔亦難求。旧時夢、且寄雲舟。
第二極招:卅載浮生功名求、終不過、土一抔。
第三極招:光陰能換酒。曲終愁更愁、好願景、皆是空口。
第四極招:魂遊故里芳盈袖、春啼暁、莫挽留。
唐門之仇
昔々、江湖の侠侶の夫婦が争い、この夫妻が人に評理を求め、唐門の先輩を引き入れた。この時点蒼派の剣聖が通りかかり、弱そうなふりをして無理に混ざり、いじめられると本当の実力で衆人を驚かし、すべての人に聞かせた。
唐門の先輩は怒気満々で言った。「万事は理の字に尽きる。お前の武功がいくら高いとて何だ。他人はお前に媚びるが、唐門だけは絶対に従わぬ!我らはお前には敵わぬが、お前の言葉など聞く気もないのだ!」言い終わって服毒自害した。
唐家掌門はこのことを聞いて怒り、下毒で奸計をしかけ、剣聖の武功を廃した。その結果は想像通り、両派は深い怨恨を抱くようになった。
極楽教との一戦の後、唐門が元気を失った隙をついて、点蒼派は言いがかりをつけ唐門掌門に挑戦した。最後に唐門は敗れたが、唐門掌門は点蒼剣聖を打ち倒した。南宮家主が居中調停に当たり、掌門は剣聖の命を奪わず、ただ剣を封じて隠居させることで点蒼の撤兵を引き換えにした。
秘笈
備考
- 唐門のこの青色の連中は、点蒼派を緑の亀と罵る。
- 唐門に女弟子がいて、点蒼の友人を一人紹介しているが、その者はその剣に嫁いだという。後に剃髪出家して尼になり、火焔鶏卵と自称して無辜を濫殺した。
- 段智秀が正心堂に押し入ろうとした時、唐門弟子は阻んだ。掌門が病に臥せる隙に、掌門の小剣を無理やり妻にするのを恐れたのだ。
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