千灯楼 (セントウロウ)
伝説の殺し屋組織です。旧魔教の滅亡とともに消えたのか、今も残っているのかさえ、世間には知られていません。実際にはどこにでもいて各地に潜んでおり、千灯楼の殺し屋の素顔を見て生き延びた者はいません。
千灯楼は子どもをさらって幼いころから育て、冷酷な刺客に仕立てます。屍心蠱を飲ませておき、発作のたびに死ぬほどの苦しみを味わわせて従わせます。そのうえ見張りをひそかに付けておき、刺客が死んだり裏切ったりすれば、その者の痕跡をすべて消し去ります。
楼主は、かつての極楽教主の生まれ変わりである申屠龍です。その下の者は焚く香の数で位が決まっており、合言葉を交わすときは次のように唱えます。
「万古寺に葬られしは誰が郎、千灯楼に焚くは何柱の香?」
「百年の寿は汗青の榜に封ぜられ、千灯の楼閣には二柱の香。」
分かっている範囲では、金烏上人が楼主に次ぐ五柱香の教頭、虞小梅が四柱香です。下の位の者は上の位の者に逆らえません。
千面人魔
不識廬山真面目,閻王擦身同陌路;若識廬山真面目,無主孤墳誰來哭。
千灯楼の伝説の刺客です。千の顔を持つ妖怪だと言い伝えられ、易容・毒術・詭計・話術に長け、迷魂大法で人の心を惑わすことさえできます。修めた無相神功を使えば、各門派の内功の特徴を、本物と見分けがつかないほどまねられます。
千面人魔とは、代々受け継がれる称号にすぎません。千灯楼がある限り、千面人魔はいつまでも存在し続けます。これまでに分かっている千面人魔は次のとおりです。
初代千面人魔は無念僧、すなわち無相祖師です。
第二代千面人魔は
第三代千面人魔は楊玄奇です。前武林盟主の龍淵を追って命を狙うため、眉山鎮の川泉酒家で3年にわたって店小二に化けていました。そのあいだに主人の娘と夫婦になる約束を交わし、娘はすでに楊の子を身ごもっています。龍淵の話を聞き、龍淵が杏花林で授かった錦嚢を見せられて、足を洗う決心をしました。見張りの千灯楼の殺し屋をおびき出すため、二人は一芝居打って派手に戦ってみせ、楊の家族を錦香宮にかくまってもらう手はずも整えました。しかし結局は千灯楼の手から逃れられず、西武林の唐門攻めに無理やり加わらされました。
第四代千面人魔は、崆峒派飛天門の嫡伝の女弟子、虞小梅です。千灯楼の四柱香の刺客で、ひそかに崆峒の四門を仲違いさせ、色仕掛けで崆峒の若い俊才を数えきれないほど誘い出して殺してきました。時機が来たら、あの大きな崆峒派を自らの手で滅ぼすつもりでいます。
元ネタ
歴代の千面人魔が同じ称号を受け継ぎ、各代がまったく別の人格・技を持つという構造は、TYPE-MOON『Fate』シリーズで暗殺教団の教主が代々「ハサン・サッバーハ」を名乗るという設定と一致します。この襲名設定はFate側が自らの独自案として説明しています[1]。開発者の原始鳥熊は、『活俠傳』の制作に最も影響を与えた作品としてFGO題材の二次創作《ディエゴ・ブランドーはGrand Orderに挑戦するようです》を挙げ、戦闘中に主義主張を語り合う「口功」の発想源としてもFateシリーズを名指ししています[2]。
一方、子どもを密かに攫って隔離し、薬物と過酷な訓練で刺客に育て上げるという千灯楼の育成描写は、唐代伝奇『聶隠娘』(裴鉶)にも見られる筋立てです。物語では十歳の少女が尼僧に連れ去られ、山中で猿・虎豹・鷹隼から人間へと殺害対象を段階的に上げる訓練を受けます[3]。
備考
二次創作で「千根楼」というひどい名前に変えられた- 千灯楼主が生涯もっとも忌み恐れているのは杏花仙で、「知恵はあまりに人に過ぎ、妖に近し。人にあらざるか」と評しています。
- 江陵囲城の後、杏花仙は千灯楼の殺し屋に各派の拠点を襲わせ、その罪を泥教になすりつけました。杏花仙が千灯楼をある程度動かせることが分かります。
- 千灯楼は唐門をひどく恐れています。唐門は毒と暗器で人知れず人を殺せるので、表の門派をやめて散り散りに各地へ潜めば、それこそ世で最も恐ろしい殺し屋組織になるからです。
- 小梅は、ほとんどのテキストで第四代として書かれていますが、申屠龍の前では第五代と名乗っています。理由は分かっていません。
- 小梅は申屠龍から、歴代の千面人魔の中で最も劣っている、覚悟も実力も中途半端だと罵られています。
- 趙活は顔が醜すぎて、人皮面具をかぶった千面人魔ではないかと疑われたことがあります。
- 今のシナリオでは千灯楼の勢力は弱く見えますが、鳥熊は、正体を隠した殺し屋組織なのだから簡単に人前に出るはずがない、と述べています。[4]
Contributors
Changelog
TVアニメ「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」公式サイト - SPECIAL コラム ↩︎
udn遊戲角落 - 專訪原始鳥熊(2)《活俠傳》的安科精神——隨機堆砌終成武林傳奇 ↩︎
裴鉶『聶隠娘』(『太平広記』巻194所収) ↩︎
問答集2024-10月-19、Part2。 ↩︎